日系二世兵士の遺産 なぜ現代にも重要な歴史なのか
日系二世兵士は戦場でも、また地元ハワイでも困難に立ち向かいました。彼らの親である移民一世は1800年代後期によりよい暮らしを求めて日本からハワイへ移住しました。一世の苦労を目にして育った二世は、日本の価値観を受け継ぎ、アメリカで実践しました。
1946年7月15日、第442連隊戦闘団の兵士達が欧州戦線からの帰路にワシントンD.C.を訪れた際、ハリー・トルーマン大統領が彼らを迎え、次のように述べました。
「君たちは遂に、故郷への帰途につく。君たちは敵と戦っただけでなく、偏見とも戦い、そして勝利した。私達は戦い続け、勝利し続ける。この偉大な国がその憲法が掲げる通り、全ての人々の幸せのために存在することを示そう。」
ハリー・トルーマン大統領がワシントンD.C.で第442連隊戦闘団を閲兵(1946年)(写真:国立公文書記録管理局)
カムロ・ミナコ氏の書
日系二世兵士はハワイに戻ると、多民族社会の仲間と協力して、長く農園を牛耳っていた財閥に挑戦します。財閥は「ビッグファイブ」と呼ばれ、ハワイの経済や農園をコントロールしていました。地元でのこの「第二の戦い」はより公平な社会の実現を目指し、政治的、経済的、社会的機会の拡大をもたらしました。その効果は広く社会に浸透し、現在の公平で自由なハワイ社会の礎となっています。
(写真:オリザ・ウガリノ氏、インターナショナル・エグザミナー提供)
安倍晋三元首相とバラク・オバマ元大統領、真珠湾にて(2016年)(写真:日本外務省)
二世兵士が私達に残した遺産は戦中・戦後と同じく、今も強いメッセージを発しています。アメリカや世界中で社会の分断が深まり、反アジア感情の高まりを目の当たりにする時、二世兵士の生き方が私達に教訓を示してくれます。
- 世代から世代へと伝わる価値観は、社会を変える大きな力になります。
- ハワイのユニークな多文化社会が共に協力して公平な社会を実現する重要な要素でした。
- 正義と公正は永遠の社会課題で、私達は過去の誤ちから学び、進化しなければなりません。
- かつての敵同士が戦争の傷を癒すことは可能で、それは重要な平和への一歩となります。